不動産売却と埼玉県春日部市で離婚時のペアローン売却手続き徹底解説
2026/10/02
離婚を機にペアローンで購入した家を売却する場合、最初に確認したいのは「家をいくらで売れるか」だけではありません。ペアローンは夫婦それぞれが住宅ローンを契約しているため、売却代金で二本分のローンを完済できるか、各借入先でどのような手続きが必要かを、決済日から逆算して確認することが大切です。
夫婦間で売却に合意していても、それだけで住宅ローンや保証関係が変わるわけではありません。この記事では、春日部市で離婚時にペアローン住宅の売却を検討している方へ、二本のローンの確認方法、売買契約から決済・抵当権抹消までの進め方、手続きが止まりやすい点を順に解説します。売却するか迷っている段階でも、まずは現在の契約内容と完済に必要な金額を整理しておくと判
目次
ペアローンは、二人がそれぞれ契約する二本の住宅ローン
ペアローンと連帯債務・連帯保証は何が違う?
ペアローンは、同じ物件に対して夫婦など二人がそれぞれ債務者となり、別々の住宅ローンを契約する形です。二人で借りていても、住宅ローンの契約は二本あります。
一方、連帯債務は一本のローンに対して二人が同じ債務を負う形です。連帯保証は、主債務者とは別に連帯保証人が返済責任を負う形をいいます。言葉は似ていますが、契約の本数と責任の仕組みが異なります。
離婚時に売却を考えるなら、まず「自分たちはどの契約を結んでいるのか」を確認することが大切です。金銭消費貸借契約書や返済予定表を見て、二本のローンなのか、一本のローンなのかを整理しましょう。
売却時は、二本の残債をそれぞれ確認する
ペアローンの住宅を売却するときは、返済予定表に書かれた残高だけで判断しないことが大切です。決済日時点で必要な完済額、繰上返済に関する手数料の有無、抵当権抹消に必要な費用などを、それぞれの契約ごとに確認します。
通常の売却では、売却代金と必要に応じた自己資金を合わせて、二本のローンを完済し、設定されている抵当権をすべて抹消できる状態に整えます。そのため、売出価格を考える前に、二本分の完済必要額を把握しておく必要があります。
一般的な住宅ローンが残る家の売却や、売却代金で完済できない場合の考え方は、関連コラムで詳しく解説します。この記事では、ペアローン特有の「二本の契約をそろえて進める点」に絞って確認します。
夫婦間の合意だけでは、ローン契約は変わらない
離婚後にどちらが家に住むか、売却代金をどう分けるかを夫婦で決めても、金融機関とのローン契約や保証関係が自動的に変わるわけではありません。売却を進める際は、借入先に必要書類や完済手続きの期限、決済日の調整方法を確認します。
また、ペアローンの保証関係や、一方の返済が滞った場合の扱いは、金融機関や契約内容によって異なります。「離婚したから自分の責任はなくなった」と考えず、契約書・返済予定表・登記事項証明書を並べて、二人分の情報を整理しましょう。
ここを曖昧にしたまま売買契約を進めると、決済日までに必要書類がそろわない、完済手続きが間に合わないといった問題につながります。まずは契約内容を整理し、売却の予定に合わせて借入先へ確認することが、手続きを止めない第一歩です。
売却前に、二本分の完済必要額と手続き期限を確認する
返済予定表の残高ではなく、決済日の完済必要額を確認する
ペアローンの住宅を売却するときに最初に確認するのは、返済予定表に記載された残高ではなく、決済日に二本のローンを完済するために必要な金額です。完済額は日割りの利息や、金融機関での手続きに伴う費用などにより変動することがあります。
売買の日程が見えてきたら、二つの契約それぞれについて、決済日時点の完済必要額を借入先に確認しましょう。この時点で、売却代金だけで完済できる見込みがあるかを確認しておくと、その後の売出価格や資金計画を考えやすくなります。
確認した内容は、ローンごとに「債務者名」「借入先」「残高」「決済日時点の完済必要額」「返済口座」を一枚にまとめておくと安心です。夫婦間だけでなく、不動産会社や司法書士と情報を共有する際にも役立ちます。
二つの契約ごとに、必要書類と申込期限を確認する
ペアローンは二つのローン契約から成るため、完済の申込みや抵当権抹消書類の準備も、契約ごとに確認が必要です。借入先が同じ場合でも、二本の契約として準備すべき内容があるかを確認すると、手続きの漏れを減らせます。
完済の申込み期限、本人確認書類などの必要書類、抵当権抹消書類を司法書士が受け取る方法は、金融機関によって異なります。売買契約を結んでから初めて確認すると、希望する決済日に間に合わないこともあります。
売却を依頼する段階で、借入先に「売却に伴う完済を予定している」と伝え、決済日までに必要な手続きと期限を確認しましょう。二本分の手続き予定を一つの一覧にしておくと、夫婦それぞれが何を準備するのかも明確になります。
売却代金から、二本のローンと売却費用を差し引いて考える
「このくらいの価格で売れそうだから、ローンも返せそう」と判断するだけでは不十分です。実際には、売却代金から仲介手数料などの売却に伴う費用を差し引き、そこから二本分の完済必要額を支払うことになります。
売却後に残る金額は、次のように考えます。
売却代金
- 売却に伴う費用
- 二本分の完済必要額
= 売却後に残る金額、または不足額
不足額が見込まれる場合は、売出価格を決める前に、どのように資金を用意するかを整理する必要があります。反対に余剰金が残る場合も、夫婦の持分や合意内容を踏まえて、どのように分けるかを事前に話し合っておくと安心です。
この記事では、二本のローンを完済するための確認順を中心に解説します。売却代金で完済できない場合の対応や、任意売却の考え方は、関連コラムで詳しく確認してください。
決済日は、二本の完済・抵当権抹消・所有権移転をそろえる
決済日に何をするのかを、事前に関係者で共有する
ペアローンの住宅を売却する決済日には、二本の住宅ローンの完済、抵当権抹消の準備、買主への所有権移転、鍵の引渡しを連動させて進めます。二本のローンがある分、通常の住宅ローンよりも確認する内容が増えます。
一般的には、次の流れで手続きを確認します。
①買主から売買代金を受け取る
②二本の住宅ローンを完済する
③抵当権抹消と所有権移転の登記を申請する
④鍵や関係書類を買主へ引き渡す
ただし、実際の資金移動や書類の受け渡し方法は、金融機関や決済場所によって異なります。売主となる夫婦、買主、不動産会社、司法書士の間で、「誰が何を確認したら次へ進むのか」を決済前に共有しておくことが大切です。
二本の完済と抵当権抹消を、同じ決済の中で連動させる
売却する家に二本分の抵当権が設定されている場合は、買主へ所有権を移す時点で、どちらの抵当権も抹消できるように準備します。二本のうち一方だけが残ると、通常どおりの引渡しを進められません。
そのため、決済日前に二つの契約について、完済日、完済に必要な金額、資金の受け取り方法、抵当権抹消書類の受け渡し方法を確認します。金融機関によっては、完済申込みから決済日までに所定の日数が必要になるため、売買契約を結んだら早めに手続きを始めることが重要です。
登記手続きは、通常、決済を担当する司法書士が書類を確認して進めます。夫婦のどちらかだけで判断せず、二本のローンについて必要な情報をそろえた上で、司法書士と不動産会社に共有しましょう。
完済・登記・精算内容を、書面で確認して残す
決済と引渡しが終わった後は、二本の住宅ローンが完済されていること、抵当権抹消と所有権移転の登記が完了していることを確認します。金融機関や司法書士から交付される書類は、後から確認できるように保管しておきましょう。
また、売買代金から何にいくら支払い、最終的にいくら残ったのかを、精算書などで夫婦それぞれが確認することも大切です。口頭だけで済ませず、売却に伴う費用、二本分の完済額、夫婦間で精算する金額を残しておくと、後から認識が食い違うことを防ぎやすくなります。
離婚時の売却では、家を引き渡して終わりではありません。二本のローンが確実に完済され、登記と精算内容まで確認できて、初めて売却手続きが一区切りとなります。
ペアローン売却で、手続きが止まりやすい三つの注意点
夫婦間の合意だけで、金融機関との契約も変わると考える
離婚後にどちらが家に住むか、ローンの支払いを誰が負担するかを夫婦で決めても、住宅ローンの契約内容や保証関係が自動的に変わるわけではありません。
たとえば、「今後は夫がローンを払う」と夫婦間で合意しても、金融機関に対する債務者や保証人の立場が、その合意だけで外れるわけではありません。変更できるかどうかや必要な手続きは、契約内容と金融機関の判断によります。
売却する場合も、夫婦間の話し合いと並行して、借入先への確認を早めに始めましょう。金融機関に確認することで、完済申込みの期限や必要書類を踏まえた現実的な売却日程を組みやすくなります。
片方のローンだけを先に進めてしまう
ペアローンでは、二本の契約がそろって初めて売却を完了できます。片方の完済額や必要書類だけを確認しても、もう一方の手続きが整わなければ、決済日を迎えることはできません。
特に、夫婦が別居していたり、連絡を取りにくかったりする場合は、必要書類の準備や金融機関との連絡が遅れやすくなります。借入先が同じ場合でも、二本の契約について確認すべきことを一つずつ整理しましょう。
二つのローンについて、次の項目を一枚にまとめておくと安心です。
・債務者の名前
・借入先
・決済日時点の完済必要額
・完済申込みの期限
・必要書類
・抵当権抹消書類の受け渡し方法
二本分の情報を先にそろえておけば、売買契約後に慌てず、決済日までの流れを組み立てやすくなります。
不動産会社へ相談する前に、そろえたい書類と情報
登記事項証明書で、所有者と抵当権を確認する
不動産の登記事項証明書では、現在の所有者、夫婦それぞれの持分、設定されている抵当権などを確認できます。ペアローンの場合は、住宅ローンの契約内容だけでなく、登記上の所有関係も合わせて見ることが重要です。
たとえば、ローンの負担割合と不動産の持分割合が同じとは限りません。また、抵当権が二本設定されている場合は、売却時にどちらも抹消できるように準備する必要があります。
契約書と登記事項証明書を並べて確認すると、「誰がどのローンを借りているか」「不動産を誰がどの割合で所有しているか」を分けて整理できます。この二つを混同しないことが、売却手続きを進めるうえで大切です。
夫婦で決めたことは、要点だけでも共有しておく
離婚時の売却では、夫婦それぞれが別々に不動産会社や金融機関へ連絡すると、情報が行き違いやすくなります。売却を始める前に、二人で確認した内容を短いメモでもよいので共有しておくと安心です。
たとえば、次の点を整理しておきましょう。
・売却を進めることに二人とも同意しているか
・連絡の窓口を誰にするか
・売却を希望する時期
・二本のローンの情報をどこまで確認できているか
・売却後の精算について、現時点で話し合えていること
すべてを最初から結論づける必要はありません。ただし、二本のローンを完済して売却することに夫婦の認識の違いがないかは、早い段階で確認しておきましょう。分からない点を残したまま進めるより、書類と数字をそろえてから判断する方が、後悔のない売却につながります。
離婚時のペアローン売却でよくある質問
売却すると決めていなくても、相談してよいですか?
売却するか迷っている段階でも、相談して問題ありません。むしろ、売る・住み続ける・判断を保留するという選択肢を比べるために、二本のローンの状況と家の売却見込みを早めに整理しておくことが大切です。
この段階で確認したいのは、二本のローンを完済できる見込みがあるか、売却する場合にどのくらいの期間を見込むか、夫婦でどこまで話し合えているかです。すぐに売却を始める必要はありません。
家・名義・ローンを整理してから判断すれば、感情や焦りだけで決めずに済みます。春日部市で離婚時の不動産売却に迷っている場合も、まずは現在の状況を確認するところから始めましょう。
