春日部市の不動産売却で契約書を準備する方法|購入時の書類と取得費5%ルールも解説
2026/08/12
春日部市で不動産を売却するとき、「売買契約書が手元にない」と悩む方がいます。まず分けて考えたいのは、これから買主と交わす今回の売買契約書と、以前その不動産を取得したときの購入時の売買契約書です。
前者は売却条件を確認するため、後者は譲渡所得の取得費を確かめるために役立ちます。購入時の契約書を紛失しただけで、直ちに売却できなくなるわけではありません。この記事では、契約前の確認事項と、取得費が分からない場合の「5%」の意味を整理します。

※この画像は記事内容を伝えるための生成イラストです。実在の物件・顧客・契約書を写した写真ではありません。
まず「どの契約書がないのか」を整理する
これから作る売却時の契約書
今回の売買契約書は、売主と買主が合意した物件、代金、支払方法、引渡し日、解除や責任の条件を記録するものです。仲介会社を利用する場合は、提示された案を署名前に読み、口頭で聞いた内容も書面に反映されているか確かめます。契約後に「そういうつもりではなかった」とならないため、分からない文言はその場で質問してください。
過去の購入時の契約書
取得時の契約書は、いくらで買ったかを調べる資料です。今回の売却契約の成立条件と同じものではありません。紛失している場合は、当時の重要事項説明書、領収書、決済明細、通帳の記録、住宅ローンの資料、仲介会社や売主から保管書類を入手できるかを確認します。資料ごとに証明できる内容が違うため、税務上の取得費に算入できるかは税理士や税務署へ確認しましょう。
相続した物件では、被相続人が取得したときの資料も探します。相続で取得した土地・建物の譲渡所得は、取得費や取得時期の扱いに注意が必要です。相続登記、相続税の申告、売却の順番も一緒に整理すると見落としを減らせます。売却前の全体的な準備は春日部市の不動産売却の準備も参考にしてください。
契約前に確認したい七つの項目
1.売る物件と権利の範囲
登記事項証明書の所在・地番・家屋番号、共有者、抵当権などを確認します。土地なら公簿面積と実測面積の扱い、境界や越境の有無、私道の権利と負担も重要です。建物では付属設備、残置物、雨漏りや修繕履歴を整理します。実際の状況と契約書の表示がずれていれば、引渡し後の争いにつながります。
2.代金・手付金・支払いの時期
売買代金、手付金、残代金の金額と支払日、固定資産税などの清算方法を確認します。住宅ローンが残っている場合は、残代金の受領と抵当権抹消の準備を金融機関、司法書士と調整します。売却価格だけでなく費用や税金を差し引いた手取りを見積もりましょう。相場を見る際は査定価格の見方も参考になります。
3.引渡し日と引渡し時の状態
鍵の受け渡し、退去、荷物の撤去、設備の作動確認をいつ誰が行うかを決めます。測量や解体、残置物処分が必要なら、担当者と期限、費用負担を明記します。「現状有姿」という言葉だけで具体的な不具合や負担がすべて解決するとは考えず、確認済みの事実を資料に残してください。
4.契約解除とローン特約
手付解除ができる期間や条件、債務不履行時の解除と違約金、買主の住宅ローン審査が通らなかった場合の取り扱いを確認します。ローン特約には申込期限、借入予定額、解除期限などが関係するため、空欄や曖昧な表現を残さないようにします。
5.契約不適合責任と告知事項
雨漏り、給排水、シロアリ、境界、近隣との取り決めなど、把握している情報を整理して伝えます。責任の範囲や期間は取引条件や当事者の立場によって異なります。免責を記載すれば必ず責任を負わない、という理解は危険です。物件状況報告書や設備表と契約書の整合も確かめましょう。
6.仲介手数料と諸費用
媒介契約、仲介手数料、測量費、登記費用、印紙税などの負担を確認します。売買契約書の印紙税は紙の契約書の記載金額などで扱いが変わります。最新の税額や軽減措置の対象は国税庁「不動産売買契約書の印紙税」で確認してください。
7.重要事項説明と特約
仲介を受ける取引では、宅地建物取引士による重要事項説明の内容を、契約書と併せて確認します。用途地域、接道、法令上の制限、インフラ、管理費や修繕積立金など、物件の種類に応じた項目を見落とさないことが大切です。国土交通省の不動産取引の基礎知識も参照できます。
購入時の契約書がないと「取得費5%」になるのか
譲渡所得の基本は、売却代金から取得費と譲渡費用を差し引く考え方です。取得費には購入代金だけでなく取得時の一定の費用が関係し、建物は減価償却費相当額の控除も必要です。税率や特例の適用も保有期間や利用状況などで異なります。基礎は国税庁「土地や建物を売ったとき」で確認できます。
購入代金などの取得費が分からない場合、または実際の取得費が譲渡価額の5%より低い場合は、譲渡価額の5%を概算取得費とする扱いがあります。たとえば売却代金が3,000万円なら、概算取得費は150万円という計算です。
これは税率5%でも、売却費用を一律5%にできる制度でもありません。実際の取得費を証明できるなら、概算取得費と比較することが重要です。詳しくは国税庁「取得費が分からないとき」をご確認ください。
概算取得費を使うと、実際の購入価格が高かった物件では譲渡所得が大きく計算される可能性があります。契約書が見つからなくても、関連資料を集めて取得費の裏付けを検討しましょう。相続物件や特例の確認は売却時の税金と確定申告も併せて確認してください。最終的な申告方法は個別事情を税務署・税理士へ相談してください。
個人間売買・ひな形利用で気を付けること
個人間取引でも、物件の特定、代金、決済、引渡し、解除、責任分担などを明確にする必要があります。公開されているひな形は出発点にはなりますが、土地・戸建て・マンションでは確認事項が異なり、既存の権利や設備の状況をそのまま反映できません。
特に共有持分、相続登記未了、抵当権、境界、借地権、賃貸中の物件では、契約案を専門家に見てもらうことを勧めます。
売却を急ぐ場合でも、条件を見ずに署名するのは避けましょう。仲介と買取では相手方や価格、期間、責任の条件が違うため、仲介と買取の違いも比較材料になります。
契約書が見つからないときの資料探し
購入時の契約書を失くした場合は、まず購入した年と取引相手、不動産会社、金融機関を思い出せる範囲で書き出します。自宅のファイル、確定申告書控え、相続人が保管する書類を探し、当時の仲介会社や住宅ローンを組んだ金融機関に保存資料の有無を問い合わせます。ただし、保管期間や開示できる範囲は相手先によって異なります。
通帳の振込記録だけでは何の支払いか分からないことがあります。領収書、決済明細、登記関係書類などと照合し、取得に直接要した費用と、保有中の維持費・修繕費を混同しないよう整理します。
相続の場合、現在の相続人が支払った費用だけを見ても、取得費の全体像は分かりません。取得の経緯を時系列でまとめると専門家にも相談しやすくなります。
契約案を受け取った後の読み方
契約書案と重要事項説明書案は、署名当日に初めて読むより、可能な範囲で事前に受け取って確認する方が安心です。金額や日付を赤線で確認し、設備表や告知書との違いに印を付けます。家族や共有者の同意が必要か、退去や残置物処分に現実的な時間があるかも確かめます。
質問は「いつまでに誰が何をするか」という形で具体的に伝えます。たとえば境界標が見つからないなら、測量の要否、費用負担、間に合わない場合の扱いを確認します。住宅ローン完済が必要なら、決済日に金融機関と司法書士が対応できるかを調整します。口頭の説明と契約書が異なる場合は、書面を直してもらってから再確認しましょう。
署名後も、契約書、重要事項説明書、設備表、告知書、領収書、決済明細を同じ場所に保管します。売却後の税務申告だけでなく、引渡し後に取引条件を確かめる際にも役立ちます。電子的なやり取りをした場合は、ファイルの版と作成日が分かる形で保存してください。
春日部市で売却を進める順番
最初に権利関係と物件の状態、取得時の資料を集めます。次に査定を取り、価格と費用の見込みを整理します。買主と条件を調整したら、重要事項説明と契約案を読み、疑問点を解消してから署名します。
契約後は融資、抵当権抹消、測量や退去を調整し、決済と引渡しへ進みます。最後に譲渡所得の申告要否を確認し、今回の契約書や領収書も保管してください。
古い契約書がないときこそ、何の資料が足りないかを先に特定することが大切です。売却条件の確認と取得費の確認を分け、必要な専門家に早めに相談しましょう。
