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不動産売却の税金を基礎から具体例で徹底解説

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不動産売却でかかる税金とは?計算方法・税率・3,000万円控除を具体例で解説

不動産売却の税金を基礎から具体例で徹底解説

2026/08/26

不動産を売却したときの税金は、売却価格そのものではなく、売却価格から取得費や譲渡費用などを差し引いた「譲渡所得」をもとに計算します。

税率は所有期間によって異なり、マイホームの売却では3,000万円の特別控除を利用できる場合があります。また、相続した不動産では、取得費や所有期間を原則として被相続人から引き継ぐため、計算時に注意が必要です。

本記事では、不動産売却にかかる税金の計算方法、所有期間による税率の違い、3,000万円特別控除、相続不動産の注意点、確定申告と納税の時期を具体例とともに整理します。特例の適用条件は物件や売主の状況によって異なるため、最終的な税務判断は税務署または税理士へご確認ください。

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目次

    不動産売却でかかる主な税金

    譲渡所得にかかる税金と所有期間による税率

    不動産売却でまず確認したいのは、売却によって生じた譲渡所得にかかる所得税・復興特別所得税・住民税です。売却価格そのものに課税されるのではなく、売却価格から取得費や譲渡費用、適用できる特別控除を差し引いた「課税譲渡所得」をもとに税額を計算します。

    課税譲渡所得が生じなければ、譲渡所得に対する所得税・復興特別所得税・住民税は原則として発生しません。ただし、紙の売買契約書を作成する場合の印紙税や、住宅ローンの抵当権抹消登記などに伴う登録免許税がかかることがあるため、「利益が出なければ売却に関する税金が一切かからない」という意味ではありません。

    税率は、売却した年の1月1日時点での所有期間によって異なります。2026年中に売却する場合、所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得となり、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせた税率は原則20.315%です。5年以下であれば短期譲渡所得となり、原則39.63%です。

    なお、相続した不動産では、原則として被相続人が取得した日から所有期間を引き継ぎます。実際の税額を確認するときは、売却予定日だけでなく、取得日や取得費が分かる資料も確認しておくことが大切です。

    譲渡所得の基本的な計算方法

    不動産売却による譲渡所得は、次の計算式で求めます。

    譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)

    さらに、3,000万円特別控除などを利用できる場合は、譲渡所得から特別控除額を差し引きます。

    課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除額

    取得費には、土地・建物の購入代金や購入時の仲介手数料などが含まれます。ただし、建物の取得費は、購入代金などから所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。

    譲渡費用とは、売却時の仲介手数料や測量費など、不動産を売るために直接かかった費用です。そのため、売却価格と購入価格の差額だけで税額が決まるわけではありません。

    なお、3,000万円特別控除などの特例を利用する場合は、控除後の課税譲渡所得がゼロになっても確定申告が必要です。

    取得費と譲渡費用に含められるもの

    取得費とは、売却した土地や建物を取得するためにかかった費用です。購入代金のほか、購入時の仲介手数料、登記費用、不動産取得税などが含まれる場合があります。

    増改築や設備の追加にかかった費用も、建物の価値を高めたり使用可能期間を延ばしたりした部分は、取得費に加えられることがあります。ただし、通常の修繕費や維持管理費まで、すべて取得費にできるわけではありません。また、建物の取得費は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。

    譲渡費用とは、不動産を売るために直接かかった費用です。主なものとして、売却時の仲介手数料、売主が負担した売買契約書の印紙税、売却のために必要となった測量費、土地を売るために行った建物の解体費用などがあります。固定資産税や修繕費など、物件の維持・管理にかかった費用は原則として譲渡費用に含まれません。

    取得費が分からない場合や、実際の取得費が売却価格の5%より少ない場合は、売却価格の5%を「概算取得費」として計算できます。ただし、概算取得費を使うと譲渡所得が大きくなることがあるため、購入時の売買契約書、領収書、通帳など、取得金額を確認できる資料が残っていないか先に探すことが大切です。

    具体例:自宅を4,000万円で売却した場合

    次の条件で自宅を売却した場合を例に、課税譲渡所得を計算します。

    ・売却価格:4,000万円
    ・取得費:2,000万円
    ・譲渡費用:200万円
    ・売却した年の1月1日時点での所有期間:7年
    ・マイホームの3,000万円特別控除の要件を満たしている

    この例の取得費2,000万円は、建物の購入代金などから減価償却費相当額を差し引いた後の金額とします。

    まず、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引きます。

    4,000万円-(2,000万円+200万円)=1,800万円

    譲渡所得は1,800万円です。ここから3,000万円特別控除を適用すると、控除できる金額は譲渡所得と同額の1,800万円となります。

    1,800万円-1,800万円=0円

    この例では課税譲渡所得が0円となるため、譲渡所得に対する所得税・復興特別所得税・住民税は発生しません。ただし、3,000万円特別控除を利用するには、必要書類を添えて確定申告をする必要があります。

    実際の計算では、取得費や譲渡費用の金額、物件の所有状況、居住実態などによって結果が異なります。

    マイホーム売却の3,000万円特別控除

    3,000万円特別控除の主な適用条件

    マイホームを売却した場合、一定の要件を満たせば、所有期間の長短にかかわらず譲渡所得から最高3,000万円を差し引けます。これが「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」です。

    主な適用条件は次のとおりです。

    ・現在、自分が住んでいる家屋を売却すること
    ・以前住んでいた家屋の場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
    ・売却した年の前年・前々年に、この特例など一定の居住用財産の特例を受けていないこと
    ・親子や夫婦、生計を一にする親族など、特別な関係にある相手への売却でないこと
    ・売却する家屋について、他の併用できない特例を利用していないこと

    家屋を取り壊して敷地だけを売る場合は、取り壊しから1年以内に売買契約を締結することや、売却までの間に敷地を貸駐車場などに利用していないことなど、追加の要件があります。

    この特例は、住民票の住所だけで自動的に適用が決まるものではありません。実際に生活の本拠として使用していたかどうかなど、居住実態を踏まえて判断されます。

    また、3,000万円特別控除を利用して課税譲渡所得が0円になる場合でも、特例の適用を受けるための確定申告が必要です。売却前に適用条件を確認し、売買契約書や居住実態を確認できる書類などを準備しておきましょう。

    相続した不動産を売却する場合の注意点

    取得費と所有期間は被相続人から引き継ぐ

    相続した土地や建物を売却する場合も、譲渡所得の基本的な計算方法は通常の不動産売却と同じです。ただし、取得費と所有期間は、原則として亡くなった方から引き継ぎます。

    取得費は、相続時の相続税評価額や固定資産税評価額ではなく、原則として被相続人がその不動産を購入したときの代金や購入手数料などをもとに計算します。建物については、被相続人の所有期間を含めた減価償却費相当額を差し引く必要があります。

    被相続人の取得費が分からない場合などは、売却価格の5%を概算取得費として計算できます。ただし、概算取得費を使うと譲渡所得が大きくなりやすいため、被相続人が保管していた売買契約書や領収書、通帳などを先に確認することが大切です。

    所有期間についても、相続した日から数えるのではなく、原則として被相続人が取得した日を引き継ぎます。その取得日から、売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかによって、長期譲渡所得と短期譲渡所得を判定します。

    相続財産の取得費加算の特例

    相続または遺贈によって取得した土地や建物を一定期間内に売却した場合、相続税額のうち、その不動産に対応する一定額を取得費に加算できることがあります。これを「相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例」といいます。

    主な適用条件は次のとおりです。

    ・相続または遺贈によって財産を取得していること
    ・その財産を取得した人に相続税が課税されていること
    ・相続開始日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却していること

    通常の相続税申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内のため、売却期限は一般に相続開始から約3年10か月以内が目安となります。ただし、個別の事情によって期限の確認が必要です。

    取得費に加算できるのは、納付した相続税の全額ではありません。相続税額や売却した財産の相続税評価額などをもとに、財産ごとに計算します。

    また、この取得費加算の特例と「被相続人の居住用財産(相続空き家)に係る3,000万円特別控除」は、同じ不動産の売却について併用できません。どちらの特例を利用できるか、またどちらが適しているかは、売却前に税務署または税理士へ確認しましょう。

    相続空き家の3,000万円特別控除

    亡くなった方が住んでいた家屋とその敷地を相続し、一定の要件を満たして売却した場合は、譲渡所得から最高3,000万円を控除できることがあります。これは、通常のマイホーム売却に対する3,000万円特別控除とは別の「被相続人の居住用財産に係る特別控除」です。

    主な適用条件は次のとおりです。

    ・相続開始の直前まで、原則として被相続人が一人で住んでいた家屋であること
    ・1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること
    ・区分所有建物登記がされたマンションなどではないこと
    ・相続してから売却するまで、事業、賃貸、相続人などの居住に使用していないこと
    ・相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
    ・売却代金が1億円以下であること
    ・家屋を一定の耐震基準に適合させて売却するか、家屋を取り壊して敷地を売却するなどの要件を満たすこと

    2024年1月1日以後の売却では、家屋を売却した後、売却した年の翌年2月15日までに買主が耐震改修または取り壊しを行った場合も、一定の要件を満たせば対象となることがあります。

    なお、対象となる家屋と敷地を取得した相続人が3人以上いる場合、控除額は1人当たり最高2,000万円です。また、この特例と相続財産の取得費加算の特例は、同じ不動産の売却について併用できません。

    市区町村が交付する確認書など、通常の不動産売却より多くの書類が必要になります。売却や解体を進める前に、税務署または税理士へ適用条件を確認することが大切です。

    相続税と売却時の税金は別に計算する

    相続税と、相続した不動産を売却したときの税金は、課税される場面と計算方法が異なります。

    相続税は、土地や建物を含む遺産を相続したときに、遺産の総額や基礎控除額などをもとに計算します。相続税の申告が必要な場合は、原則として相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納付します。

    一方、相続した不動産を売却して譲渡所得が生じた場合は、その譲渡所得に対して所得税・復興特別所得税・住民税が課されます。所得税等は、原則として売却した年の翌年に確定申告を行います。

    そのため、相続税を納付していても、売却による譲渡所得が生じれば別に税金がかかる場合があります。ただし、一定の要件を満たせば、先ほど説明した取得費加算の特例や相続空き家の3,000万円特別控除を利用できる可能性があります。

    なお、相続税が課税されていない場合、相続財産の取得費加算の特例は利用できません。

    不動産売却後の確定申告と納税

    確定申告が必要になる主なケース

    土地や建物を売却し、取得費や譲渡費用を差し引いた後に譲渡所得が生じた場合は、原則として確定申告が必要です。

    また、次のような特例を利用する場合も確定申告が必要になります。

    ・マイホーム売却の3,000万円特別控除
    ・相続空き家の3,000万円特別控除
    ・相続財産の取得費加算の特例
    ・マイホームの譲渡損失に関する損益通算や繰越控除の特例

    3,000万円特別控除などを適用した結果、課税譲渡所得が0円になる場合でも、確定申告をしなければ特例は適用されません。

    一方、取得費や譲渡費用を差し引いた結果が損失となり、損失に関する特例も利用しない場合は、不動産売却についての確定申告は原則として不要です。

    申告が必要か判断できない場合や、複数の特例が関係する場合は、税務署または税理士へ確認しましょう。

    確定申告に向けて準備したい主な書類

    不動産売却の確定申告では、譲渡所得を計算するための資料と、利用する特例に応じた添付書類を準備します。

    まず、一般的に確認しておきたい資料は次のとおりです。

    ・売却時の売買契約書
    ・購入時の売買契約書や領収書
    ・購入時と売却時の仲介手数料が分かる書類
    ・測量費や解体費など、譲渡費用を確認できる領収書
    ・売却した土地や建物の登記事項を確認できる書類
    ・本人確認書類やマイナンバーを確認できる書類

    確定申告では、これらの資料をもとに「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)」を作成します。

    さらに、3,000万円特別控除を利用する場合は居住実態を確認する書類、相続空き家の特例では市区町村が交付する確認書や登記事項証明書など、取得費加算の特例では相続税額を計算する明細書などが必要になります。

    必要書類は、利用する特例や売却した不動産の状況によって異なります。申告直前に慌てないよう、売却後ではなく売却を検討した段階から、購入時の契約書や領収書が残っているか確認しておきましょう。

    確定申告の期限と所得税・住民税の納付時期

    不動産売却後の確定申告は、次の流れで進めます。

    1.売却時と取得時の書類を準備する
    2.譲渡所得と適用できる特例を確認する
    3.確定申告書と譲渡所得の内訳書を作成する
    4.税務署への提出と所得税等の納付を行う

    確定申告の期間は、原則として売却した年の翌年2月16日から3月15日までです。2026年中に不動産を売却した場合は、原則として2027年2月16日から3月15日までに申告します。期限の日が土曜日・日曜日・祝日などに当たる場合は、翌開庁日が期限となります。

    所得税と復興特別所得税は、原則として確定申告の期限までに納付します。納付方法には、口座振替、インターネットバンキング、クレジットカード、納付書による方法などがあります。納付方法によって手続きや実際の引落日が異なるため、事前に確認しましょう。

    住民税は、所得税等と一緒に3月15日までに納付するわけではありません。確定申告の内容をもとに自治体が税額を計算し、通常は6月以降に納付書や給与からの特別徴収によって納めます。

    売却代金をすべて使ってしまうと納税資金が不足する可能性があるため、譲渡所得が見込まれる場合は、あらかじめ納税分を確保しておくことが大切です。

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