相続した実家の「家じまい」は何から始める?特定空家になる前に考えたいこと|春日部の不動産屋のホンネ
2026/10/01
先日テレビを見ていたら、「家じまい」という言葉が出てきました。
最近、この「家じまい」という言葉を耳にする機会が、ずいぶん増えてきたように感じます。
高齢になった親御さんが住んでいた実家。
相続したけれど、もう誰も住む予定のない家。
遠方にあって、なかなか管理に行けない家。
家じまいと一言で言いますが、僕はこれ、そんなに簡単な話ではないと思っています。
例えば親から、
「俺たちがいなくなったら、実家のことは頼むぞ」
そう言われたとします。
そして、その後、親が亡くなった。
そのとき子どもたちに残されるのは、「土地と建物」という不動産だけではありません。
その家には、家族が暮らしてきた時間そのものが残っています。
家じまいで整理するのは「物」だけではない
お父さんがいつも座っていた場所。
お母さんが使っていた机。
食卓。
押し入れの中にしまってある物。
家族の写真。
仏壇。
先祖代々残されてきた写真や品物。
子どもの頃の思い出。
そして、ご近所の方々との付き合いや思い出。
そういうものまで全部含めて、残された家族に引き継がれるんだと思います。
だから、
「家じまいをしよう」
と言われても、
「何から手をつければいいの?」
となるのは当たり前です。
僕は、家じまいで一番最初に必要なのは、もしかすると「心の整理」なのではないかと思っています。
親が亡くなって、すぐに家を売る話なんてできない
親が亡くなった。
今まで誰かが暮らしていた実家に、誰もいなくなった。
そこでいきなり、
「さあ、家を売ろう」
「片付けよう」
「解体しよう」
とは、なかなかならないと思うんです。
少し気持ちが落ち着いてからにしよう。
四十九日が終わってから。
お盆にみんなが集まったとき。
年末年始に兄弟が集まったとき。
そう考えるのは、ごく自然なことだと思います。
問題は、その次です。
誰かが、
「そろそろ実家のこと、どうするか考えない?」
と言わなければなりません。
でも、この一言が難しい。
「もう売る話をするの?」
「そんなに急いで処分しなくてもいいんじゃない?」
「思い出のある家なのに冷たくない?」
そんなふうに受け取られてしまうことだってあると思います。
兄弟でも、親を亡くした悲しみから立ち直る早さは違います。
だから、家じまいを始める「タイミング」を合わせるだけでも時間がかかるんです。
片付けを始めれば、今度は「捨てられない」が始まる
そして、ようやくみんなで実家の片付けを始めたとします。
押し入れを開ける。
棚を開ける。
物置を開ける。
すると、
「こんなもの残してたんだ」
「これ懐かしいね」
「これはお父さんが大事にしていたから取っておこう」
「この写真は捨てられないよ」
そんなことが次々に出てくると思います。
全部思い出です。
だから全部残したくなる。
でも、全部を残していたら家じまいは進まない。
反対に、一人の判断で捨ててしまえば、
「なんで勝手に捨てたの?」
と兄弟の間でもめる可能性もあります。
何を残すのか。
何を処分するのか。
誰が持って帰るのか。
仏壇をどうするのか。
写真をどうするのか。
遺品整理一つとっても、相続人みんなが同じ方向を向くには時間がかかります。
でも「思い出がある」と「何もしない」は違うと思う
ここは、今回僕が一番書きたいところです。
思い出があるから、処分できない。
これは分かります。
家を壊す。
売る。
家具を捨てる。
長年あったものがなくなる。
何か大切なものを失ってしまうような感覚になると思います。
僕にも、その気持ちは分かります。
でも、
「思い出を大切にすること」と、
「何も決めずに先延ばしにすること」は、
少し違うんじゃないかなと思うんです。
例えば、実家を片付ける前に写真をたくさん撮っておく。
お父さんがいつも座っていた場所を撮る。
家族が集まっていたリビングを撮る。
兄弟みんなで最後に実家の前で写真を撮る。
残したい物を一人一つずつ持って帰る。
昔の写真をデータに残す。
思い出の残し方は、「家そのものをずっと残しておく」だけではありません。
思い出は残す。
でも現実にも向き合う。
僕は、それが家じまいではないのかなと思っています。
現実として、相続登記には期限があります
気持ちの整理はもちろん大切です。
ただ一方で、相続した不動産には法律上の手続きがあります。
2024年4月1日から相続登記は義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から、原則として3年以内に相続登記を申請する必要があります。
だから、
「そのうち考えればいい」
と、ずっとそのままにしていいわけではありません。
相続人を確認する。
遺産について話し合う。
必要な書類を集める。
相続登記をする。
実家の中を整理する。
その家を今後どうするか決める。
実際にやってみれば、やることはたくさんあります。
分からないところについては、司法書士など専門家の力を借りることも必要だと思います。
そして今は「管理不全空家」という問題もある
もう一つ、以前よりも意識しておかなければならないのが空き家の管理です。
今は「特定空家等」だけではなく、その一歩手前ともいえる「管理不全空家等」という仕組みがあります。
簡単に言えば、
適切に管理されておらず、そのまま放置すると特定空家等になるおそれがある空き家です。
例えば建物が傷んでいく。
庭木や雑草が伸びる。
塀などが傷んでいく。
周囲の生活環境に影響が出てくる。
そうした状態が続けば、市区町村から指導や勧告の対象となる場合があります。
さらに、管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けると、土地の固定資産税などに適用されている住宅用地の特例から外れることもあります。
つまり、
「いつかやろう」
「来年考えよう」
「まだ誰も困っていないからいいだろう」
と先延ばしを続けた結果、
行政から指摘を受けてから、
「まずい。急いで何とかしなきゃ」
となる可能性もあるということです。
焦って家じまいをしても、良いことはあまりない
僕は、不動産の判断を焦ってすることに、あまり良いことはないと思っています。
突然、
「早く片付けなきゃ」
「行政から言われたから急いで売らなきゃ」
「早く解体しないと」
となってからでは、選択肢を比較する時間も少なくなります。
しかも相続人の皆さんにも、それぞれ仕事や家庭があります。
平日に役所へ行く。
実家へ行く。
業者との打ち合わせをする。
見積もりを取る。
兄弟で連絡を取り合う。
書類を集める。
ただでさえ忙しい中で、一気に全部やらなければならなくなったら、大きな負担です。
だからこそ、何か問題が起きてから焦るのではなく、
「現実として、この家を今後どうするのか」
を早めに整理しておくことが大切なんだと思います。
急ぐ必要はない。
でも、目を背けない。
順序立てて、一つずつ進める。
僕はそれが一番だと思っています。
「こんな家を残しやがって」とならないためにも
少し強い言い方になりますが、僕はここも大切だと思っています。
家じまいをずっと先延ばしにした結果、
管理する人がいなくなる。
建物が傷む。
費用がかかる。
草刈りに行かなければならない。
遠方から何度も通わなければならない。
兄弟の一人にだけ負担が偏る。
そうなってしまうと、いつしか、
「なんでこんな負の不動産を残したんだ」
「こんなものを残しやがって」
と、亡くなった親にまで腹を立ててしまうことがあるかもしれません。
僕は、それってすごく悲しいことだと思うんです。
本当はたくさん良い思い出がある家だったはずです。
そこで育ててもらった。
家族で笑った。
喧嘩もした。
ご飯を食べた。
お正月にはみんなで集まった。
そんな家だったはずなのに、最後の最後に「負の財産」として記憶されてしまう。
亡くなった親御さんだって、そんなことは望んでいないんじゃないでしょうか。
お金の問題も避けては通れない
さらに現実には、お金の問題があります。
空き家を持っていれば、
固定資産税。
庭の手入れ。
草刈り。
最低限の建物管理。
場合によっては修繕。
片付けや遺品整理。
さまざまな費用がかかります。
親御さんが預貯金を残していて、そこから支出できるのであればまだいいかもしれません。
そうでなければ、
「この費用は誰が出す?」
「2人だから半分ずつ?」
「3人だから3分の1ずつ?」
という話になります。
そして実家が遠方なら、
「いつも私ばかり窓を開けに行っている」
「草刈りも全部自分がやっている」
「あなたは何もしていないじゃない」
という不満まで出てくるかもしれません。
家じまいが遅れれば遅れるほど、こうした問題が増えていくケースもあると思います。
だからこそ、早いうちに「誰が何をするのか」を家族で決めておくことも大切です。
家が片付いた後にも、選択肢はいくつもある
家の中が片付いた。
では、その後どうするか。
ここにも、いろいろな選択肢があります。
そのまま中古住宅として売却する。
最低限のクリーニングをして売却する。
必要な部分だけリフォームして売る。
リフォームして賃貸に出す。
一定期間貸してから売却する。
建物を解体して、更地として売る。
しばらく保有する。
どれが正解かは、家によって違います。
駅から近く、需要が高い場所。
春日部市内でも比較的動きの早い場所。
そういう不動産なら売却の方向性を決めやすいケースもあるでしょう。
反対に、地方の実家。
山間部。
駅から離れている。
建物が古い。
再建築や接道などに問題がある。
そうなれば、同じ方法では考えられません。
だから、
「家じまい=売却」
ではないと思っています。
空き家は、何もしなくても状態が変わっていく
ただし、一つ忘れてはいけないことがあります。
家族が悩んでいる間にも、建物は時間とともに変化していくということです。
人が住まなくなる。
窓を開けなくなる。
空気が動かなくなる。
湿気がこもる。
庭の草が伸びる。
郵便物がたまる。
外から見ても「空き家だな」と分かるようになる。
そして1年、2年経って、
「そろそろ売ろう」
となったとします。
購入を検討している方が、その家を初めて見に来る。
庭は草だらけ。
室内は長い間換気されていない。
建物も管理されていない印象を受ける。
その状態を見て、
「この家に住みたい」
と思ってもらえるでしょうか。
不動産は第一印象も大切です。
だから、売るかどうか決まっていなかったとしても、「管理だけはしておく」という考え方も必要だと思います。
家族だけで話が進まないなら、第三者を入れてもいい
家族だけで話していると、
「売りたい」
「残したい」
「まだ決めたくない」
と、それぞれの気持ちだけで話が止まってしまうことがあります。
そんなときは、第三者を入れてもいいと僕は思っています。
ただし、
「じゃあ売りましょう」
だけの不動産屋ではなく、
いろいろな選択肢を数字にして、一緒に考えてくれる人です。
例えば、
今のまま売ったらいくらくらいなのか。
片付けにはいくらかかるのか。
クリーニングだけならいくらなのか。
リフォームするならいくらなのか。
解体費用はいくらなのか。
更地にしたらいくらくらいで売れるのか。
賃貸に出すなら家賃はいくらくらいなのか。
数年間貸してから売る方法はどうなのか。
売却費用や解体費用を差し引いて、最終的にどのくらい残りそうなのか。
兄弟2人なら一人いくら。
3人なら一人いくら。
必要な書類は何なのか。
誰にどんな手続きをお願いするのか。
そこまで一つずつ整理してみる。
すると、漠然としていた「家じまい」が、少しずつ具体的になってきます。
僕が家じまいの相談を受けるなら
もし、かりゆし笑会株式会社に家じまいの相談をいただいたら、
僕は最初から、
「売りましょう」
とは言いたくありません。
まず聞きたいです。
どんな家なのか。
ご両親がどのように暮らしていたのか。
ご家族はどう考えているのか。
今後誰かが住む可能性はあるのか。
何を残したいのか。
そして、
売った場合。
貸した場合。
リフォームした場合。
解体した場合。
そのまま保有した場合。
それぞれどうなるのかを、一つずつ整理していきたいと思っています。
不動産屋の仕事は、
「家を売ること」
だけではないと思っているからです。
売るかどうかを決める前の段階から、
「この家をどうするのがいいのか」
を一緒に考えることも仕事だと思っています。
家じまいは「思い出を捨てること」ではない
僕は、家じまいは思い出を捨てることではないと思います。
建物がなくなったとしても、そこで過ごした時間までなくなるわけではありません。
家を売ったからといって、お父さんやお母さんとの思い出がなくなるわけでもありません。
だからこそ、
残したいものは残す。
写真に残す。
家族で思い出を話す。
最後にみんなで家を見に行く。
そうやって、それぞれの形で思い出を残せばいいと思います。
そして、
「じゃあ、ここからは前に進もう」
と家族みんなで決める。
それも、残された家族ができる一つの供養なのではないでしょうか。
「実家のことは頼むぞ」の、その先まで
親から言われた、
「実家のことは頼むぞ」
という一言。
その言葉は、
「この家をずっと残しておけ」
という意味だけではないような気がします。
自分たちが暮らした場所。
子どもたちを育てた場所。
家族の思い出が詰まった場所。
最後まで兄弟で揉めずに、みんなで話をして、納得できる形で整理してほしい。
そんな願いも入っているんじゃないでしょうか。
親が亡くなったという現実から目を背けない。
残された家があるという現実からも目を背けない。
でも、決して焦らない。
思い出を大切にしながら、一つずつ順序立てて進めていく。
僕は、それが「家じまい」なんじゃないかなと思っています。
春日部市やその周辺で、相続した実家や空き家のことで悩まれている方。
また、春日部に住んでいるけれど、遠方の実家をどうしたらいいのか分からない方。
まだ売ると決めていなくても大丈夫です。
「何から始めればいいのか分からない」
「兄弟で話すために、まず選択肢と金額だけ知りたい」
「売る・貸す・解体する、それぞれの場合を比較したい」
その段階からでも構いません。
家じまいは、不動産だけの話ではありません。
家族の思い出と、これからの暮らしを整理していくことでもあると思います。
だからこそ、焦らず。
でも、先延ばしにしすぎず。
一緒に順番を整理していける不動産屋でありたいと思っています。
かりゆし笑会株式会社
代表取締役 脇田滋行
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かりゆし笑会株式会社
住所:埼玉県春日部市南中曽根408−4
電話番号:048-793-4105
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